大匠 棟梁
井波彫刻の元祖であり、全国各地にその名を残した井波大工一門。私の師匠はその中の一人大工屋五代目東城清八です。棟梁に憧れて宮大工の仕事一筋に50年余り歩んでまいりました。
弟子入りした当時は、朝の掃除にはじまり、昼は大工の修行、夜は図面や絵様、そして学問の研究に励む毎日でしたが、師亡き後、弟子や仲間たちに支えられ、今では設計から施工の総てを担う「社寺建築専門業者」として全国各地へ赴いております。またその間にも、日本建築研究室の清水稔次先生からも絶えずご指導を承りながら、より一層の研究と技術の向上を目指して技を磨いてまいりました。
そしてこの度、東京大学坂本功教授始め三井所清典教授のお力添えで夢にまでみた五重塔を設計・施工し完成いたしました。また国指定重要文化財の寺院修復の仕事にも携わらせていただきました。
これからも”決して妥協しない木のこだわり”をもって、後世に伝統建築を継承していきたいと思います。